あなたの街の青年会議所 & 日本の底知れぬ力 & 地域再興先進事例

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【滋賀県長浜市】黒壁スクエア 視察

あなたの街の青年会議所 & 日本の底知れぬ力 & 地域再興先進事例 2015.03.16

「建造物の保存と中心市街地活性化が目的です。」とは、案内をして下さった第3セクター株式会社黒壁飲食事業部総支配人の笹原司之氏の言葉です。明治33年に第百三十国立銀行長浜支店として建てられ、黒漆喰の外壁から「黒壁銀行」の愛称で親しまれていた建物を保存するのみでなく、これを活用するために地場産業にも存在しなかったガラス事業を核とし、事業を展開されています。
株式会社黒壁では、様々な地域から職人を集め、雇用をし、人材の育成とともに新しい技術の創造を行っています。作り手を会社で雇用することで、独立して工房を持つことが経済的に困難であるという問題を解消し、多くの作り手を集めることができます。作り手が多く集まるがゆえに、自社の工房で制作した独自性あるガラス製品を販売することができるほか、ガラスを用いたキャンドルやプレートの制作など多岐にわたるガラス作り体験ができるのも、大きな特徴であるとのことです。このようなアイデアの甲斐もあり、長浜には現在でも200万人に迫る多くの人に訪れてもらい町の賑わいに貢献したいという会社の強い思いが、現実化しているということがとてもよく分かりました。現在、長浜を訪れる方々は、日本人が大多数ですが、今後は海外からの集客も図りたいという次への目標も熱く語って頂きました。地場産業にとらわれず、新たなことに挑戦し、そこで成果を収めるための発想の転換の必要性を学ぶとともに、停滞した市街地の活性化への工夫に向けた熱意に触れることができました。
そして視察後、株式会社黒壁の元代表取締役常務であられた伊藤光男氏にご講演を頂きました。「建物の保存はできるが、保存だけでは町のためにならない、これを町のために活用したい。」これが株式会社黒壁の設立趣旨でした。しかし、どのように活用すればいいかというのが一番の問題でした。地場産業のちりめんでは復活は困難であるとして様々な活用案が挙がる中、初代社長である長谷定雄氏が目を付けたのが、ヨーロッパで広く文化として受け継がれているものの日本ではあまり注目されていないガラスでした。しかも、差別化を図るため、単にガラスの小売商店にするのではなく、独自のガラス工房を創ろうと考えました。長浜は観光地ではないものの、自社が発信者になり、物語を買ってもらって、ガラスを持って帰ってもらうといった手法で多くの人を長浜に呼び込むことに成功し、今では長浜の子供たちにとって、この町に住むことが誇りにもなっているそうです。地の不利も、それが見直しのきっかけとなり、却って大きなメリットを生じるということを実践した例であると感じ、固定観念にとらわれず、あらゆる角度から物事を見て、検討し、工夫をしていくことの重要さを学ぶことができました。
 
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